学童で宿題は見てもらえる?丸付け・学習時間と終わらないときの対策
「学童へ通えば、宿題を終わらせて帰ってくるの?」
小学校入学を控えた共働き家庭にとって、気になることの一つではないでしょうか。
多くの学童では、子どもが宿題や自習に取り組める時間を設けています。
ただし、学童は塾ではありません。宿題をする時間があっても、職員が一問ずつ教えたり、丸付けをしたり、すべて終わったか確認したりするとは限りません。
子どもが遊びを優先して、宿題を残したまま帰宅することもあります。
この記事では、学童で宿題をどこまで見てもらえるのか、家庭では何を確認すればよいのかを解説します。
学童には宿題をする時間がある?
多くの学童では、一日の流れの中に宿題や自主学習の時間が設けられています。
例えば、学校から学童へ到着したあと、次のような順番で過ごします。
| 時刻の例 | 主な過ごし方 |
|---|---|
| 14時30分 | 学童へ到着・出欠確認 |
| 15時 | 宿題・読書・自由遊び |
| 15時30分 | おやつ |
| 16時 | 外遊び・室内遊び・活動 |
| 17時 | 帰宅またはお迎え |
| 18時以降 | 延長利用 |
実際の時間や順番は、学校の下校時刻、学年、施設によって異なります。
宿題をする時間を全員一斉に設ける学童もあれば、子どもが自分で取り組む時刻を決める学童もあります。
こども家庭庁の「放課後児童クラブ運営指針解説書」では、子どもが宿題や自習などの学習活動を自主的に行える環境を整え、必要な援助を行うことが示されています。
大切なのは「自主的に行える環境」という点です。
学童には宿題に取り組める時間や場所がありますが、学校の授業や学習塾のように、全員へ一律の学習指導を行う施設ではありません。
学童ではどこまで宿題を見てもらえる?
学童で行われる宿題への対応は、施設によって異なります。
主に次のような段階があります。
1.宿題をする時間と場所を用意する
最も基本的な対応です。
机や静かに取り組める場所を用意し、「宿題をする人はこの時間に取り組みましょう」と声をかけます。
職員が勉強を直接教えるとは限りません。
2.宿題を始めるよう声をかける
遊びに夢中になっている子どもへ、「宿題は終わった?」「先に宿題をしようか」と声をかける場合があります。
ただし、子どもが取り組むまで付き添うかどうかは、その日の人数や職員体制によって変わります。
3.分からない問題を一緒に考える
子どもから質問があれば、職員が考え方を説明したり、ヒントを出したりする学童もあります。
一方、学校の指導方法と異なる教え方を避けるため、答えを直接教えない方針の施設もあります。
4.宿題が終わったか確認する
ドリルやプリントのページを見て、取り組んだことを確認する場合があります。
ただし、記入漏れや間違いまで細かく確認するとは限りません。
5.丸付けや直しまで行う
職員が宿題の丸付けや間違い直しまで行う学童もありますが、すべての施設に共通する対応ではありません。
丸付けは家庭や学校で行うという方針の学童もあります。
「学童で宿題を見てもらえる」と案内されていても、どこまで対応してもらえるのかは個別に確認しましょう。
学童は塾ではない
学童の主な役割は、保護者が仕事などで昼間家庭にいない子どもへ、放課後の遊びと生活の場を提供することです。
宿題をする環境は大切ですが、学習指導だけを目的とした施設ではありません。
学童では、宿題以外にも次のような活動を行います。
- おやつを食べる
- 友達と遊ぶ
- 外で体を動かす
- 読書をする
- 工作や行事へ参加する
- 片付けや掃除をする
- 異なる学年の子どもと過ごす
- 疲れたときに休む
学校で長時間過ごした子どもにとって、放課後は気持ちを切り替えて遊んだり、安心して休んだりする時間でもあります。
宿題を必ず終わらせることだけを優先すると、子どもにとって学童が落ち着けない場所になる可能性があります。
一方で、帰宅後の時間が限られる家庭では、学童である程度宿題を進めてほしいという希望もあるでしょう。
入所時に家庭の希望を伝え、学童の方針とすり合わせることが大切です。
丸付けまでしてもらえる?
丸付けを行うかどうかは、学童によって大きく異なります。
考えられる対応は次のとおりです。
- 職員が丸付けをする
- 子どもが自分で丸付けをする
- 上級生と一緒に確認する
- 保護者が帰宅後に丸付けをする
- 学校で先生が確認する
- 丸付けには対応しない
低学年の宿題では、保護者が音読を聞いたり、計算カードの回数を確認したり、サインをしたりする課題もあります。
こうした宿題は、学童では対応せず、家庭で行うよう指定されることがあります。
また、職員が丸付けをしていても、次の内容までは確認しない可能性があります。
- 文字の書き順
- 漢字の細かな形
- 計算の途中式
- 音読の正確さ
- 忘れている宿題がないか
- 翌日の持ち物
- 保護者の署名欄
学童で丸が付いているからといって、家庭で何も確認しなくてよいとは限りません。
宿題が終わらないまま帰ってくることもある
学童に宿題時間があっても、宿題を終えずに帰宅することはあります。
主な理由は次のとおりです。
- 学童へ到着する時刻が遅かった
- お迎えが早かった
- 友達との遊びを優先した
- 宿題を持って行くのを忘れた
- 宿題の内容を覚えていなかった
- 分からない問題で止まった
- 音読など家庭で行う課題が残った
- 疲れて集中できなかった
- 行事や特別活動があった
特に1年生は、学校生活と学童の両方に慣れるだけでも疲れます。
入学直後から「学童で全部終わらせてきて」と強く求めると、子どもの負担が大きくなることがあります。
最初は家庭で宿題の残りを確認し、子どもがどのくらい学童で取り組めるのかを見ていきましょう。
宿題をしてこないときの対応
子どもが学童で宿題をしてこなかったときは、すぐに叱るのではなく、理由を確認します。
まず子どもに聞く
次のような聞き方をすると状況を把握しやすくなります。
- 今日は宿題をする時間があった?
- どこまでできた?
- 分からない問題はあった?
- 宿題を持って行った?
- 今日は学童で何をしていた?
- 疲れてできなかった?
「どうしてやらなかったの?」と責めるだけでは、子どもが本当の理由を話しにくくなります。
学童の一日の流れを確認する
宿題の時間が何時なのかを確認しましょう。
例えば、宿題時間が16時からで、保護者のお迎えが16時15分なら、取り組める時間はほとんどありません。
お迎え時刻を少し変えることで解決する場合もあります。
学童へ家庭の希望を伝える
毎日まったく宿題へ取り組まない場合は、学童へ相談します。
家では帰宅後の時間が短いため、可能であれば宿題を始めるよう声をかけていただけますか。
このように、具体的にお願いすると伝わりやすくなります。
ただし、職員が常に付き添ったり、宿題の完了を保証したりすることは難しい場合があります。施設の役割と職員体制を理解したうえで相談しましょう。
家庭と学童の役割を分ける
宿題をすべて学童任せにせず、学童で行うものと家庭で行うものを分ける方法があります。
| 学童で取り組みやすい宿題 | 家庭で確認しやすい宿題 |
|---|---|
| 計算ドリル | 音読 |
| 漢字練習 | 計算カード |
| プリント | 保護者の丸付け |
| 自主学習 | 間違い直し |
| 読書 | 翌日の持ち物確認 |
| 作文の下書き | 保護者の署名が必要な課題 |
例えば、「計算と漢字は学童」「音読と丸付けは家庭」と決めておくと、子どもにも分かりやすくなります。
家庭で確認するときは、宿題が終わっているかだけでなく、次の点も見ましょう。
- 宿題の範囲が合っているか
- 名前を書いているか
- 空欄がないか
- 間違い直しが必要か
- 提出物を連絡袋へ入れたか
- 明日の持ち物がそろっているか
1年生は宿題の管理に慣れていない
新1年生は、何が宿題なのかを把握すること自体に慣れていません。
学校によっては、黒板の内容を連絡帳へ書き写したり、プリントで宿題を確認したりします。
最初のうちは、次のようなことが起こります。
- 宿題のプリントを学校へ置いてくる
- 連絡帳を書き忘れる
- 宿題のページを間違える
- 学童へ教材を持って行かない
- 宿題を終えたつもりになる
- 提出するのを忘れる
学童で取り組めなかったことを責めるよりも、宿題を確認して準備する流れを一緒に覚えることが大切です。
帰宅後にランドセルを開き、連絡帳、宿題、プリントを親子で確認する時間をつくりましょう。
学童へ持って行く学習用品
施設によっては、宿題以外の自習時間に使う教材を持参できます。
候補としては次のようなものがあります。
- 学校の宿題
- 筆箱
- 連絡帳
- 計算ドリル
- 漢字ドリル
- 読書用の本
- 自主学習ノート
- 市販のワーク
- 色鉛筆や定規
市販の問題集、タブレット、電子辞書などは、学童への持ち込みを認めていない場合があります。
紛失や破損を防ぐためにも、持参できる教材を事前に確認しましょう。
学童へ毎日持って行く物や長期休みの準備については「学童の持ち物は何が必要?毎日・長期休み・入所初日のチェックリスト」で詳しく解説しています。
夏休みなど長期休業中の宿題はどうする?
夏休み、冬休み、春休みは、学童で過ごす時間が長くなります。
午前中に学習時間を設ける施設も多く、普段より宿題を進めやすくなることがあります。
一方、長期休みの宿題には、学童だけでは取り組みにくいものもあります。
- 絵日記
- 読書感想文
- 自由研究
- 工作
- 植物の観察
- 家庭でのお手伝い
- 音読
- タブレットを使う課題
工作や絵の具などは、ほかの子どもの作品や施設を汚す可能性があるため、使用できない場合があります。
自由研究も、必要な材料やインターネット環境がなければ進められません。
長期休みの最初に宿題を次の3つへ分けておくと管理しやすくなります。
- 学童で進める宿題
- 家庭で行う宿題
- 保護者と一緒に行う宿題
学童で毎日どのくらい進めるかを、子どもと一緒に決めましょう。
夏休み中の学童利用と家庭での準備については「小学校の夏休み、共働き家庭はどうする?学童・留守番・昼食の準備」も参考になります。
民間学童なら勉強を教えてもらえる?
民間学童の中には、学習支援を大きな特徴としている施設があります。
例えば、次のようなサービスです。
- 宿題の完了確認
- 丸付けと間違い直し
- 専用教材による学習
- 英語やプログラミング
- 学習塾との併設
- 個別の学習計画
- 学習状況の保護者への報告
ただし、すべての民間学童が学習指導を行っているわけではありません。
また、基本料金とは別に教材費や講座料金が必要になる場合があります。
見学や説明会では、次の点を確認しましょう。
- 宿題時間は毎日あるか
- 宿題を終えるまで見てもらえるか
- 丸付けをしてもらえるか
- 間違い直しまで行うか
- 音読や計算カードに対応するか
- 専用教材は必須か
- 学習指導に追加料金がかかるか
- 保護者へどのように報告されるか
公立と民間では、料金だけでなく、学習支援の内容にも違いがあります。
費用を比較するときは「学童の料金はいくら?公立・民間の費用と追加料金を分かりやすく解説」も確認してください。
宿題をめぐって学童とすれ違わないために
保護者が「学童で宿題を終わらせてもらえる」と思っていても、学童側は「宿題ができる場所を用意している」と考えている場合があります。
この認識の違いを防ぐため、入所説明会や見学時に具体的に質問しましょう。
確認したい質問
- 宿題の時間は毎日ありますか?
- 何分くらい取り組みますか?
- 全員が宿題をする決まりですか?
- 職員から宿題を始めるよう声をかけますか?
- 分からない問題は教えてもらえますか?
- 宿題が終わったか確認しますか?
- 丸付けや間違い直しはしますか?
- 音読や計算カードにも対応しますか?
- 宿題が終わらなかった場合、保護者へ伝えてもらえますか?
- 自宅から教材を持ち込めますか?
「宿題を見てもらえますか?」だけでは、人によって受け取り方が異なります。
「声かけ」「完了確認」「丸付け」「指導」を分けて聞くのがポイントです。
子どもが学童で勉強に集中できない場合
学童には多くの子どもがいるため、自宅よりにぎやかな環境になることがあります。
周囲の声や遊ぶ音が気になり、宿題に集中できない子どももいます。
その場合は、次の方法を検討しましょう。
- 比較的静かな席を使えるか相談する
- 学童へ着いたら最初に宿題をする
- 短い宿題だけ学童で済ませる
- 難しい問題は家庭へ持ち帰る
- お迎え後に10分だけ確認時間をつくる
- 朝に宿題や間違い直しをする
- 子どもが集中しやすい順番を決める
学童で宿題が進まないことだけを理由に、すぐ利用をやめる必要はありません。
子どもによっては、入所直後は遊びを優先していても、生活に慣れると自分から宿題へ取り組めるようになります。
一方、宿題だけでなく学童そのものへ強い不安や疲れを感じている場合は、支援員へ相談しましょう。
子どもが学童を嫌がる場合の原因と対応は「子どもが学童に行きたくないと言ったら?原因の見つけ方と家庭でできる対策」で解説しています。
家庭でできる宿題ルール
家庭と学童で共通する簡単なルールを決めておくと、子どもが行動しやすくなります。
例えば、次のようなルールです。
- 学童へ着いたら宿題を確認する
- プリントとドリルは学童で行う
- 分からない問題には印を付ける
- 音読と丸付けは帰宅後に行う
- 宿題が終わったら連絡袋へ入れる
- 宿題を忘れた日は帰宅後に取り組む
- 翌日の準備は家庭で行う
最初から完璧を求めず、子どもが続けられる内容にしましょう。
「全部終わったか」だけでなく、「自分で宿題を出せた」「分からない問題に印を付けられた」といった小さな行動も認めることが大切です。
よくある質問
学童では宿題を必ず終わらせてもらえますか?
必ず終わるとは限りません。
宿題時間を設けていても、取り組み方や進み具合は子どもによって異なります。学童が宿題の完了を保証しているかは、施設へ確認してください。
分からない問題を教えてもらえますか?
質問に対応する学童もありますが、個別指導を行わない施設もあります。
職員数やその日の状況によっても対応が変わります。
丸付けまでしてもらえますか?
施設によって異なります。
職員が丸付けする、子どもが自分で行う、家庭で確認するなど対応はさまざまです。入所説明会で確認しましょう。
音読も学童でできますか?
音読できる場所や職員体制があれば対応する場合もありますが、周囲に多くの子どもがいるため、家庭で行う施設もあります。
保護者の確認印が必要な課題は家庭で行うのが確実です。
宿題をしない子どもへ声をかけてもらえますか?
声かけをお願いできる場合があります。
ただし、職員が一人の子どもへ付ききりになることは難しいため、どの程度対応できるかを相談しましょう。
学童で宿題をしてきたら家庭で確認しなくてもよいですか?
低学年のうちは、帰宅後に内容を確認するのがおすすめです。
宿題の残り、記入漏れ、間違い直し、音読、翌日の準備などが残っている可能性があります。
まとめ|宿題の「場所」と「指導」は分けて考えよう
多くの学童には、子どもが宿題や自習に取り組める時間と場所があります。
ただし、すべての学童で次の対応が行われるわけではありません。
- 宿題を始めるよう声をかける
- 分からない問題を教える
- 宿題の完了を確認する
- 丸付けをする
- 間違い直しまで行う
学童は、子どもが放課後を過ごす生活の場であり、学習塾とは役割が異なります。
入所前に「宿題を見てもらえるか」と聞くだけでなく、声かけ、完了確認、丸付け、個別指導のそれぞれについて確認しましょう。
学童でできる宿題と家庭で確認する宿題を分けると、帰宅後の負担を減らしながら、子どもが自分で取り組む習慣も育てやすくなります。
参考にした公式情報
- こども家庭庁「放課後児童クラブ運営指針解説書」
- こども家庭庁「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)」
- 横浜市「放課後における児童の居場所に関する調査報告書概要」
- 横浜市青葉区「放課後キッズクラブ一覧表」
- 神戸市「神戸っ子のびのびひろば」
※宿題時間、声かけ、丸付け、個別の学習支援などの対応は、自治体や学童によって異なります。必ず利用予定の学童へ最新の運営方針をご確認ください。

