学童で薬を飲ませてもらえる?服薬依頼書・持参方法・アレルギー対応を解説

学童を利用している時間に、子どもが薬を飲まなければならないことがあります。

「職員に頼めば飲ませてもらえる?」

「ランドセルに薬を入れておけば大丈夫?」

「子どもが自分で飲めるなら、学童へ伝えなくてもよい?」

このように迷う保護者もいるでしょう。

学童での薬の取扱いは、全国で統一されているわけではありません。

服薬依頼書を提出すれば職員が介助する施設、自分で服用することを原則とする施設、薬の預かりや服薬介助を行わない施設などがあります。

そのため、薬を持たせる前に、利用している学童の規則と対応できる範囲を確認することが大切です。

この記事では、学童で薬を飲む場合の確認事項、薬の持参方法、服薬依頼書、アレルギーや緊急薬への備えについて解説します。

※薬の飲み方や使用方法を家庭の判断で変更せず、医師や薬剤師の指示に従ってください。

学童で薬を飲ませてもらえるかは施設によって異なる

学童での服薬対応は、大きく次のように分かれます。

対応方法内容
職員が服薬を介助する依頼書や医師の指示などに基づき、決められた時間に服薬を補助する
職員が声をかける薬は子どもが自分で管理し、職員が服用時刻を知らせる
子どもが自分で服用する薬の管理から服用まで子ども本人が行う
薬を預かるのみ職員が保管し、服用時に子どもへ渡す
原則として対応しない薬の預かりや服薬の介助を行わない

同じ自治体内でも、公設学童と民間学童で対応が異なる場合があります。

また、飲み薬には対応していても、目薬、塗り薬、吸入薬、座薬などは対応できないことがあります。

確認するときは、「薬を飲ませてもらえますか」だけでなく、誰が何をしてくれるのかを具体的に聞きましょう。

薬をランドセルへ入れたままにしない

薬を持参するときは、子どものランドセルへ入れたままにせず、保護者が職員へ直接渡すのが基本です。

ランドセルの中へ薬を入れたままにすると、次のような問題が起こる可能性があります。

  • 子どもが薬の存在を忘れる
  • 飲む時刻を間違える
  • ほかの子が触る
  • 薬を落とす
  • 似た薬と取り違える
  • 暑さや寒さで保管状態が悪くなる
  • 学童側が服薬の必要性を把握できない

子どもが自分で飲める場合でも、薬を持参していることは学童へ伝えます。

施設によっては、子どもが薬を自己管理すること自体を認めていなかったり、職員による保管が必要だったりします。

学校へ服薬について伝えていても、その情報が自動的に学童へ引き継がれるとは限りません。学校と学童の双方へ確認しましょう。

学童へ薬を持参する前に確認したい8項目

服薬が必要になったら、次の項目を学童へ確認します。

1.服薬の介助に対応しているか

職員が薬を口へ入れるところまで介助するのか、薬を渡すだけなのか、服用時刻に声をかけるだけなのかを確認します。

「対応可能」と言われても、具体的な範囲が家庭の想定と異なることがあります。

2.服薬依頼書が必要か

服薬に対応する学童では、「服薬依頼書」「投薬依頼書」「与薬依頼書」などの提出を求められることがあります。

書類には、一般的に次の内容を記入します。

  • 子どもの氏名
  • 病名や症状
  • 薬の名称
  • 1回の量
  • 服用する時刻
  • 服用方法
  • 服用期間
  • 処方した医療機関
  • 保護者の連絡先
  • 注意事項

継続して飲む薬でも、依頼書を毎日提出する施設や、処方内容が変わったときだけ再提出する施設があります。

書類の有効期間も確認しましょう。

3.医師の処方薬だけが対象か

学童によっては、医療機関から処方された薬に限って対応します。

家庭で用意した市販薬、以前処方されて残っていた薬、兄弟姉妹の薬などは、受け付けてもらえない可能性があります。

子どもの症状を見て職員が薬を選んだり、量を変更したりすることもできません。

薬の種類や飲み方に迷う場合は、医師または薬剤師へ確認してください。

4.薬は1回分にする必要があるか

取り違えや飲み過ぎを防ぐため、その日に学童で使用する1回分だけを持参するよう求める施設があります。

一方で、シートから薬を切り離したり、別の容器へ移したりすることが適切でない場合もあります。

持参しやすい形にしたいときは、保護者だけで詰め替えず、薬剤師へ相談しましょう。

薬袋や容器には、少なくとも次の情報が確認できる状態にします。

  • 子どもの氏名
  • 薬の名称
  • 1回の量
  • 使用する時刻
  • 使用方法

5.薬剤情報の書類が必要か

薬局でもらった薬剤情報提供書、薬の説明書、お薬手帳の写しなどを求められる場合があります。

薬だけを渡すのではなく、薬の名称や使用方法を職員が確認できる資料も準備します。

6.保管方法に対応できるか

薬によっては、温度や光、湿気などに注意が必要です。

学童には冷蔵庫があっても、薬の保管には使用できない場合があります。

次のような保管条件がある場合は、事前に確認しましょう。

  • 冷蔵が必要
  • 高温を避ける必要がある
  • 光を避ける必要がある
  • 子どもがすぐ使用できる場所に置く必要がある
  • 使用後の容器や針などを安全に処理する必要がある

施設の設備で安全に保管できない場合は、医師や薬剤師へ対応方法を相談します。

7.飲み忘れた場合の対応

職員が忙しい時間や、子どもが外遊びをしている時間に服用時刻を迎えることもあります。

飲み忘れた場合に、後から飲ませるのか、保護者へ連絡するのかを確認しておきましょう。

ただし、飲み忘れた薬を後から飲むかどうかは、家庭や職員の判断で決めず、処方時の指示に従います。

8.体調が変化した場合の連絡方法

薬を飲んだ後に体調が変化した場合の連絡先とお迎え方法を決めます。

  • 最初に連絡する保護者
  • 保護者へつながらない場合の連絡先
  • かかりつけ医
  • 緊急時に搬送を希望する医療機関
  • 救急車を呼ぶ判断
  • お迎えに行ける人

勤務中に電話へ出られない場合は、職場の電話番号や祖父母などの緊急連絡先も登録しましょう。

服薬依頼書を提出するときの注意点

服薬依頼書は、職員へ薬の内容と対応方法を正確に伝えるための書類です。

提出するときは、次の点を確認します。

  • 空欄がないか
  • 薬に書かれた名前と子どもの名前が一致しているか
  • 薬の量が依頼書と一致しているか
  • 服用時刻が明確か
  • 「症状が出たとき」の判断基準が共有されているか
  • 保護者の連絡先が最新か
  • 薬の使用期限が切れていないか
  • 薬の変更があった場合に書類を更新したか

「昼ごろ」「必要なとき」などの曖昧な書き方では、職員が判断できない場合があります。

症状が出たときだけ使う薬については、どの症状が出たら、誰の判断で、どのように使うのかを、医師の指示を基に確認しましょう。

一時的な風邪薬を飲む場合

風邪や感染症の回復後に登所できても、昼の薬が残っている場合があります。

そのときは、次の順番で確認します。

  1. 学童で服薬対応が可能か聞く
  2. 依頼書などの必要書類を確認する
  3. 医師または薬剤師の指示どおりに薬を準備する
  4. 保護者が職員へ直接手渡す
  5. 服用後の体調変化や連絡方法を確認する

仕事の都合だけを理由に、服用回数や時間を家庭の判断で変えてはいけません。

学童で昼の服薬が難しい場合は、朝と夕方の服用に変更できる薬があるか、医師や薬剤師へ相談します。処方内容を自己判断で変更しないようにしましょう。

子どもに発熱、強いだるさ、繰り返す嘔吐などがある場合は、薬を持たせて学童へ行かせるのではなく、登所できる状態かを学童や医療機関へ確認してください。

子どもが自分で薬を飲む場合

高学年などで自分で服用できる場合も、事前に学童へ相談します。

自己管理を始める前に、子どもが次のことを理解できているか確認しましょう。

  • 自分の薬を見分けられる
  • 飲む時刻が分かる
  • 1回に飲む量が分かる
  • 友達へ薬を渡さない
  • 薬を床や水道周辺へ置かない
  • 飲み忘れても2回分をまとめて飲まない
  • 薬を落としたら職員へ伝える
  • 体調が変わったら職員へ伝える

スマートフォンや時計のアラームを使いたくても、電子機器の持込みを禁止している学童があります。

アラームを使えるか、職員が時刻を知らせてくれるかも確認してください。

子どもが「自分でできる」と言っていても、最初から完全に任せず、家庭で同じ時刻に服用する練習をします。

継続して薬を飲む場合

ぜん息、アレルギー、てんかん、発達に関する治療などで、継続的な服薬が必要な子どももいます。

毎日または長期間の対応が必要な場合は、書類を渡すだけでなく、施設の責任者や担当職員と面談することをおすすめします。

確認したいのは次の内容です。

  • 薬を使用する目的
  • 毎日の服用時刻
  • 飲み忘れた場合の対応
  • 服用後に観察したい症状
  • 保護者へ連絡する基準
  • 薬の保管場所
  • 担当職員が不在の日の対応
  • 長期休み中の服用時刻
  • 外出行事へ薬を持って行けるか
  • 災害時の薬の扱い

担任や担当職員だけでなく、必要な範囲で複数の職員に情報を共有してもらえるかも確認します。

個人情報への配慮は必要ですが、担当者が休みの日に誰も対応方法を知らない状態は避けなければなりません。

食物アレルギーがある場合

食物アレルギーがある子どもは、服薬だけでなく、おやつ、昼食、調理活動などの対応も確認します。

こども家庭庁の「放課後児童クラブ運営指針解説書」では、食物アレルギーのある子どものおやつについて、施設の設備や職員体制を踏まえて対応方針を決め、個別の対応を保護者と相談する必要性が示されています。

入所時には、次の情報を共有しましょう。

  • 原因となる食品
  • 食べてはいけない量や範囲
  • これまでに起きた症状
  • 緊急時に現れやすい症状
  • 医師から指示されている薬
  • 緊急薬の保管場所
  • 保護者への連絡方法
  • かかりつけ医
  • 救急搬送時の対応
  • おやつを持参する必要があるか

学校へ学校生活管理指導表を提出している場合でも、学童で別の書類や面談が必要になることがあります。

学校と学童が同じ建物内にあっても、情報が自動的に共有されるとは考えず、それぞれに確認してください。

学童のおやつや食物アレルギーへの一般的な対応は「学童のおやつはどんなもの?料金・持参・アレルギー対応を解説」で詳しく解説しています。

エピペンなどの緊急薬がある場合

アナフィラキシーに備えてエピペンなどの緊急薬を処方されている場合は、通常の飲み薬とは分けて対応を確認します。

必要なときにすぐ使えることと、ほかの子どもが誤って触れないことの両方を考えなければなりません。

主治医の指示を基に、次の点を学童と共有します。

  • どの症状が出たら使用するか
  • 本人が自分で使用できるか
  • 本人が使用できない場合の対応
  • 緊急薬を保管する場所
  • 外遊びや行事へ持ち出す方法
  • 使用後の救急要請
  • 保護者への連絡
  • 使用期限の確認方法
  • 新しい薬への交換時期

緊急時は、保護者への連絡を待つことより救命対応が優先される場合があります。

「電話がつながるまで何もしない」という状態にならないよう、主治医と相談した対応手順を事前に共有しておきましょう。

学童で薬を預ける日のチェックリスト

薬を持参する日は、次の項目を確認します。

確認項目チェック
学童へ服薬対応を相談した□
服薬依頼書を記入した□
子どもの名前を確認した□
その日に必要な薬を準備した□
薬剤情報の書類を添えた□
使用時刻と量を確認した□
職員へ直接手渡した□
緊急連絡先を確認した□
帰宅時に残った薬を受け取る方法を確認した□
子ども本人にも対応を説明した□

毎日必要な薬でも、バッグへ入れたままにせず、施設が定めた受渡し方法に従いましょう。

学童へ確認するときの伝え方

電話や面談では、次のように伝えると確認しやすくなります。

医療機関から処方された薬を、学童の利用時間中に飲む必要があります。職員による服薬の介助や声かけは可能でしょうか。必要な書類、薬の持参方法、保管方法を教えてください。

継続的な薬の場合は、次の内容も加えます。

毎日使用する薬です。担当の職員がお休みの日を含め、施設内でどのように情報を共有していただけるか、面談で確認したいです。

電話で確認した内容は、日付、対応した人、説明されたルールを記録しておきましょう。

よくある質問

市販薬も学童で飲ませてもらえますか?

市販薬に対応するかどうかは施設によって異なります。

医師が処方した薬だけに対応する学童もあるため、持参する前に確認してください。

薬を連絡帳に挟んで持たせてもよいですか?

子どもに持たせる方法では受け付けない施設があります。

紛失や取り違えを防ぐため、保護者が職員へ直接手渡すよう求められることが一般的です。施設のルールに従ってください。

子どもが自分で飲めれば、学童へ伝えなくてもよいですか?

自己管理できる子どもでも、薬の持込み自体にルールがある可能性があります。

ほかの子が触ることや飲み忘れ、体調変化に備えるため、事前に学童へ伝えましょう。

服薬依頼書は一度出せば年度末まで使えますか?

施設や薬の内容によって異なります。

毎日提出する場合、一定期間有効な場合、処方内容が変わるたびに再提出する場合があります。薬が変更されたときは、古い依頼書のままにせず更新してください。

学校の担任へ伝えてあれば学童にも共有されますか?

学校と学童では運営主体や職員が異なる場合があり、必ず共有されるとは限りません。

学校と学童の双方へ連絡し、それぞれで必要な書類を確認しましょう。

薬を飲み忘れたら、帰宅後に飲ませてもよいですか?

薬によって対応が異なります。

家庭の判断で服用時刻を変更したり、次の分と合わせて飲ませたりせず、処方時に受けた指示を確認してください。不明な場合は医師や薬剤師へ相談しましょう。

まとめ|薬を持たせる前に「誰が・何をするか」を決めよう

学童で薬を飲ませてもらえるかどうかは、自治体や施設によって異なります。

最初に確認したいのは次の点です。

  1. 服薬の介助に対応しているか
  2. 子どもが自分で服用する必要があるか
  3. 服薬依頼書が必要か
  4. 処方薬だけが対象か
  5. 薬をどの状態で持参するか
  6. 誰が薬を保管するか
  7. 飲み忘れや体調変化にどう対応するか
  8. 緊急時に誰へ連絡するか

薬をランドセルへ入れて持たせるだけでは、安全な服薬管理にはなりません。

保護者、子ども、学童の職員が、誰が薬を保管し、誰が服用時刻を確認し、体調が変わったときにどうするのかを共有することが大切です。

薬の飲み方や時間を変える必要がある場合は、家庭だけで判断せず、医師や薬剤師へ相談してください。

学童へ毎日持って行く物や、長期休みに必要な物は「学童の持ち物は何が必要?毎日・長期休み・入所初日のチェックリスト」で確認できます。

参考にした公式情報

※薬の取扱い、服薬介助の範囲、必要書類、保管方法、緊急時の対応は、自治体や学童によって異なります。実際に薬を持参する前に、利用施設、医師、薬剤師へご確認ください。