病児保育は小学生も使える?対象年齢・料金・予約方法を解説

小学生が発熱や風邪で学校を休むことになっても、保護者がすぐに仕事を休めるとは限りません。

「病児保育は保育園児だけの制度では?」

「小学生は何年生まで預かってもらえる?」

「熱が出た当日の朝でも予約できる?」

このようなときに確認したいのが、自治体などが実施する病児保育です。

病児保育は、子どもが病気で学校や通常の保育施設を利用できず、保護者も仕事などの事情で家庭で看病できない場合に、一時的に子どもを預かる仕組みです。

小学生を対象としている地域もありますが、対象年齢、受け入れ可能な病気、料金、必要書類、予約方法は自治体や施設によって異なります。

この記事では、小学生が病児保育を利用する条件と、事前登録から利用当日までの流れ、利用できない場合の対応を解説します。

病児保育は小学生も利用できる?

自治体や施設が小学生を対象にしていれば利用できます。

例えば、横浜市と福岡市の病児保育は小学6年生までが対象です。大阪市も、病児・病後児保育を小学生向けの一時的な保育サービスとして案内しています。

ただし、全国すべての病児保育施設が小学6年生まで受け入れているわけではありません。

地域や施設によって、次のような違いがあります。

  • 小学3年生まで
  • 小学6年生まで
  • 未就学児のみ
  • 原則として市内在住者のみ
  • 市外在住者も利用できる
  • 市内在住・在学・在勤世帯が対象
  • 施設によって受け入れ年齢が異なる

最初に、住んでいる自治体の公式サイトで対象年齢を確認しましょう。

自治体全体では小学生が対象でも、個別の施設が受け入れ年齢を限定している場合があります。利用したい施設へも直接確認することが大切です。

病児保育とは?

病児保育は、病気のため学校や通常の保育施設へ行けない子どもを、病院や診療所、保育所などに設けられた専用スペースで一時的に預かる事業です。

看護師や保育士などが子どもの体調を確認しながら、病状に合わせた保育を行います。

施設で預かる方式のほか、地域によっては看護師などが利用者の自宅を訪問する方式もあります。

病児保育は治療を目的とした入院施設ではありません。一般的には、入院治療の必要がなく、施設で安全に過ごせると医師が判断した子どもが対象です。

病児保育と病後児保育の違い

病気の子どもを預かる制度には、主に「病児保育」と「病後児保育」があります。

種類子どもの状態
病児保育病気の治療中だが、入院する必要はなく、施設で保育できる状態
病後児保育病気の回復期にあるが、まだ学校や集団生活へ戻るのが難しい状態
体調不良児対応通常の保育中に体調が悪くなった子どもを、保護者が迎えに来るまで一時的に預かる仕組み
訪問型看護師などが子どもの自宅を訪問して保育する仕組み

「熱があるから病児保育」「熱が下がったから病後児保育」と単純に分けられるわけではありません。

病気の種類、発症からの日数、体温、食事や水分が取れるかなどを踏まえ、医師や施設が利用可能かを判断します。

施設によっては病児と病後児の両方へ対応していますが、病後児だけを対象としている施設もあります。

どのような病気で利用できる?

病児保育で受け入れられる可能性がある病気には、次のようなものがあります。

  • 風邪
  • 発熱
  • 気管支炎
  • 胃腸炎
  • インフルエンザ
  • 水ぼうそう
  • おたふくかぜ
  • 溶連菌感染症
  • 結膜炎
  • 中耳炎
  • 骨折などの外傷

ただし、同じ病名でも必ず利用できるとは限りません。

施設内で感染を広げないため、感染症ごとに部屋を分けて預かる施設があります。すでに同じ病気の子どもで隔離室が埋まっている場合や、別の感染症との組み合わせによっては断られる可能性があります。

感染力が非常に強い病気や、施設で安全に対応できない症状は対象外になることもあります。

利用可否は、病名だけでなく当日の体調と施設の受け入れ状況で決まります。

利用できない可能性がある状態

次のような場合は、病児保育を利用できない可能性があります。

  • 症状が重く入院や継続的な医療処置が必要
  • 呼吸状態が悪い
  • 水分をほとんど取れない
  • 意識がはっきりしない
  • 繰り返し嘔吐している
  • けいれんが続いている
  • 施設で対応できない感染症にかかっている
  • 医師が集団での預かりに適さないと判断した
  • 必要な診療情報や書類を用意できない
  • 施設の定員に空きがない

予約を取れた場合でも、利用当日の診察や健康確認によって受け入れ不可となることがあります。

子どもの症状が強い場合は、預け先を探すことより医療機関への受診を優先してください。

学級閉鎖中でも利用できる?

子ども本人が病気ではなく、感染症による学級閉鎖のため自宅待機となっているだけの場合、通常の病児保育は利用できない可能性があります。

病児保育は、病気または回復期の子どもを預かる制度だからです。

反対に、学級閉鎖中に子ども本人も発症した場合は、病気の種類、症状、施設の受け入れ条件を満たせば利用できる可能性があります。

ただし、学級閉鎖となった学校や学年の子どもの受け入れを制限する施設も考えられます。予約時に、学級閉鎖中であることと本人の症状を必ず伝えてください。

子ども本人が元気な学級閉鎖日の対応は「学級閉鎖になったら仕事はどうする?共働き家庭の預け先と休み方」で詳しく解説しています。

病児保育の料金はいくら?

病児保育の料金は自治体によって異なります。

2026年9月時点の例では、横浜市はその他の一般世帯が1日2,000円で、一定の要件を満たす世帯には減免制度があります。福岡市は利用料を無料としていますが、食事、おやつ、医療費などは含まれません。

このように、同じ病児保育でも料金体系は地域ごとに異なります。

利用時には次の費用を確認しましょう。

  • 1日または1時間あたりの利用料
  • 昼食代
  • おやつ代
  • 医師が作成する書類の費用
  • 診察時の医療費
  • おむつなど不足品の実費
  • 市外利用者の追加料金
  • キャンセル料
  • 延長料金

利用料が無料でも、診察や食事に費用がかかる場合があります。

生活保護世帯、市民税非課税世帯、ひとり親家庭などを対象とした減免制度がある地域では、証明書類の提示が必要です。

利用までの基本的な流れ

病児保育は、子どもが発熱した当日に施設へ連れて行くだけでは利用できないことがあります。

一般的には、次の順番で手続きを進めます。

1.利用できる施設を調べる

自治体の公式サイトで、病児保育施設の一覧を確認します。

自宅から近い施設だけでなく、勤務先までの経路や送迎時間も考えて候補を探しましょう。

確認する項目は次のとおりです。

  • 対象年齢
  • 利用できる住所要件
  • 開室日
  • 利用時間
  • 定員
  • 利用料金
  • 予約方法
  • 当日の診察場所
  • 昼食の提供
  • 駐車場の有無

施設によっては、かかりつけ医が併設されている場合と、別の医療機関を受診してから向かう場合があります。

2.事前登録をする

病児保育は、初回利用前の登録を求められることがあります。

施設ごとに登録が必要な地域もあれば、自治体の予約システムへ一度登録すれば複数施設を探せる地域もあります。

登録時には、次の情報を記入することがあります。

  • 子どもの氏名と生年月日
  • 住所
  • 学校名と学年
  • 保護者の勤務先
  • 緊急連絡先
  • かかりつけ医
  • 予防接種歴
  • 既往歴
  • アレルギー
  • 常用薬
  • 熱性けいれんの経験

病児保育は、子どもが病気になってから初めて探すと登録が間に合わないことがあります。利用する可能性がある施設は、元気なうちに登録しておきましょう。

3.医療機関を受診する

利用前に医師の診察を受け、病児保育を利用できる状態か確認してもらいます。

自治体や施設によっては、医師が記入する次のような書類が必要です。

  • 医師連絡票
  • 利用連絡書
  • 診療情報提供書
  • 診断書
  • 病児保育利用依頼書

書類の名称や有効期間は地域によって異なります。

夜間や休日の救急医療機関では、病児保育用の書類を作成してもらえない場合があります。受診前に、どの医療機関で書類を受け取れるか確認しましょう。

4.施設を予約する

電話、Web予約システム、専用アプリなどで利用を申し込みます。

前日から予約を受け付ける施設もあれば、当日の朝に空き状況を確定する施設もあります。

予約時には、次の情報を正確に伝えてください。

  • 子どもの年齢と学年
  • 病名または疑われる病気
  • 発症した日時
  • 現在の体温
  • 嘔吐や下痢の有無
  • 食事や水分を取れているか
  • 学級閉鎖の有無
  • 服用中の薬
  • 利用希望時間

予約の申し込みだけでは受け入れ確定にならない場合があります。施設からの確定連絡や、当日の診察結果を確認してください。

5.利用当日に健康確認を受ける

利用当日は、施設または併設の医療機関で子どもの状態を確認します。

前日より症状が悪化していたり、予約時とは異なる病気が疑われたりした場合は、利用できないことがあります。

お迎え時刻は必ず守り、子どもの状態が変わったときにすぐ連絡を受けられるようにしておきましょう。

病児保育の予約は取りにくい?

感染症が流行する時期は予約が集中する可能性があります。

病児保育は、病気の種類によって部屋を分ける必要があり、施設全体の定員に空きがあっても受け入れられない場合があります。

特に予約が集中しやすいのは、次のような時期です。

  • インフルエンザの流行期
  • 感染性胃腸炎が増える時期
  • 学校や地域で感染症が広がっているとき
  • 連休明け
  • 月曜日
  • 学級閉鎖が増えている時期

一つの施設だけでなく、利用可能な範囲で複数の施設を調べておくと選択肢が増えます。

ただし、同時に複数施設を予約することを禁止している自治体や施設があります。重複予約はせず、不要になった予約は速やかにキャンセルしましょう。

利用当日の持ち物

必要な持ち物は施設によって異なりますが、一般的には次のようなものを準備します。

  • 健康保険証または資格確認に必要なもの
  • 子ども医療証
  • 母子健康手帳
  • 利用申込書
  • 医師連絡票などの必要書類
  • お薬手帳
  • 処方された薬
  • 昼食
  • おやつ
  • 水筒や飲み物
  • 着替え
  • 下着
  • タオル
  • ビニール袋
  • マスク
  • 子どもが落ち着いて過ごせる本や玩具

薬は、医師が処方したものだけを預かる施設があります。市販薬や、容器に移し替えた薬は受け付けてもらえない可能性があります。

薬には、子どもの氏名、服用時刻、1回分の量が分かるようにしておきましょう。

小学生の場合は、学校の宿題や本を持参できることもあります。ただし、体調が悪い日は学習より休養が優先です。

昼食は用意してもらえる?

施設によって異なります。

昼食を持参する施設、有料で提供する施設、併設する医療機関で用意する施設などがあります。

病状によって食べられるものが変わるため、予約時に確認してください。

持参する場合は、次のような点に注意します。

  • 子どもが食べ慣れているものにする
  • 消化しやすいものを選ぶ
  • 食欲がない場合の軽食も用意する
  • アレルギー食品を避ける
  • 保冷が必要か確認する
  • 容器や袋に名前を書く

水分補給が必要なため、飲み慣れた飲料や水筒を指定されることもあります。

病児保育の送迎は誰がする?

原則として、保護者が施設まで送り迎えする地域が一般的です。

通常の学童や保育施設から病児保育施設へ、職員が自動的に送ってくれるわけではありません。

子どもの発熱連絡を受けてから、次の流れが必要になる場合があります。

  1. 保護者が学校や学童へ迎えに行く
  2. 医療機関を受診する
  3. 医師に必要書類を作成してもらう
  4. 病児保育を予約する
  5. 翌日以降、保護者が施設へ送る

一部地域では、体調不良になった子どもの送迎に対応する事業や、病児・緊急対応型のファミリーサポートを実施している場合があります。

ただし、通常のファミリー・サポート・センターでは、病気の子どもを預かれないことがあります。

通常時のファミリーサポートについては「ファミリー・サポート・センターは小学生も使える?送迎・預かり・料金と利用方法」で詳しく解説しています。

病児保育を利用できないときはどうする?

定員、病状、感染症の種類などによって利用できない場合に備え、別の対応も考えておきましょう。

保護者が交代で休む

夫婦それぞれの勤務予定を確認し、午前と午後で交代する方法があります。

在宅勤務が可能でも、病気の子どもの看病をしながら通常どおり働くのは難しいことがあります。会議や締め切りを調整し、勤務先へ子どもの状況を具体的に伝えましょう。

子の看護等休暇を確認する

小学3年生修了までの子どもを養育する労働者は、一定の条件のもとで子の看護等休暇を取得できます。

対象となる子どもが1人の場合は1年度に5日まで、2人以上の場合は10日までで、時間単位の取得も可能です。

病気やけがをした子どもの看護だけでなく、感染症による学級閉鎖などへの対応も取得理由に含まれます。

ただし、休暇中の賃金を有給にするか無給にするかは勤務先の規定によります。就業規則や社内制度を確認してください。

親族へ相談する

祖父母などへ頼る場合は、子どもの病気がうつる可能性も考える必要があります。

特に高齢者や基礎疾患がある人へ、感染症の子どもの看病を安易に依頼するのは避けましょう。

病名、症状、感染の可能性を伝えたうえで、無理のない範囲で相談してください。

留守番は慎重に判断する

小学生だからといって、病気の日に一人で留守番できるとは限りません。

通常は留守番できる子どもでも、発熱や嘔吐がある日は急に症状が悪化する可能性があります。

次のような状態では、一人にしないほうが安全です。

  • 高熱がある
  • 呼吸が苦しそう
  • 繰り返し嘔吐している
  • 水分を取れない
  • けいれんの経験がある
  • 強い痛みがある
  • 薬の管理が必要
  • 一人で助けを呼ぶことが難しい

病気の日の留守番は、普段の留守番とは分けて判断しましょう。

通常時の留守番を始める目安は「小学生の留守番は何年生から?始める目安と安全のための準備」で解説しています。

元気なうちに準備しておくこと

病児保育は、必要になった当日に制度を調べ始めると利用できない可能性があります。

子どもが元気なうちに、次の準備をしておきましょう。

  • 自治体の病児保育制度を確認する
  • 小学生の対象学年を確認する
  • 自宅や勤務先から通いやすい施設を探す
  • 利用登録を済ませる
  • 予約方法をスマートフォンへ登録する
  • 医師連絡票などの様式を確認する
  • かかりつけ医が書類を作成できるか聞く
  • 利用料金と減免制度を確認する
  • 勤務先の子の看護等休暇を確認する
  • 利用できない場合の夫婦の分担を決める

施設の電話番号、予約サイト、診察に必要な書類を一つのメモへまとめておくと、発熱した日に探し直さずに済みます。

病児保育の事前確認表

確認項目わが家の登録内容
利用予定施設______
対象年齢__歳・小学__年生まで
事前登録済・未
予約方法電話・Web・アプリ
予約開始時刻__時__分
利用時間__時~__時
1日の利用料____円
医師の書類必要・不要
受診先______
昼食持参・提供
薬の預かりあり・なし
送迎担当______
利用不可時の対応______
勤務先への連絡先______

よくある質問

熱が何度までなら利用できますか?

一律の体温だけでは判断できません。

発熱の原因、全身状態、水分や食事の摂取、呼吸状態、施設の受け入れ体制などを確認し、医師や施設が判断します。

予約先へ現在の体温と症状を正確に伝えてください。

インフルエンザでも利用できますか?

インフルエンザに対応する施設もありますが、発症からの日数や症状、隔離室の空き状況によって利用できない場合があります。

施設ごとに条件が異なるため、診断を受けたうえで確認してください。

当日の朝でも予約できますか?

当日予約に対応する施設もあります。

ただし、定員に達している場合や、診察・書類の準備が間に合わない場合は利用できません。前日から予約を受け付ける施設では、早めに手続きを始めましょう。

事前登録だけで利用できますか?

事前登録とは別に、利用日ごとの予約や医師の診察、申込書の提出が必要になることがあります。

登録を済ませただけで、希望日に必ず利用できるわけではありません。

市外の施設も利用できますか?

自治体間で広域利用を行っている地域や、市外在住者を受け入れる施設もあります。

一方、市内在住者だけを対象とする地域もあります。市外利用の可否と追加料金を、両方の自治体または施設へ確認してください。

病児保育へ預けるのはかわいそうですか?

子どもの体調や気持ちによって判断する必要があります。

病児保育では、病状に合わせて休息を取りながら過ごしますが、慣れない場所が負担になる子どももいます。利用できる状態だから必ず預けるのではなく、体調が悪い場合は家庭で休ませる選択も含めて考えましょう。

まとめ|小学生も対象になるが事前登録が重要

病児保育は、自治体や施設の対象年齢に小学生が含まれていれば利用できます。

ただし、確認が必要なのは年齢だけではありません。

  1. 子どもの病気が受け入れ対象か
  2. 医師の診察や書類が必要か
  3. 予約方法と受付開始時刻
  4. 利用時間と料金
  5. 昼食や薬などの持ち物
  6. 当日の送迎方法
  7. 利用できない場合の対応

予約を申し込めても、定員や当日の症状によって受け入れられないことがあります。

子どもが病気になってから慌てて探すのではなく、元気なうちに対象施設を調べ、事前登録と勤務先の休暇制度の確認を済ませておきましょう。